北村さんちの遺跡めぐり
更新日2012/6/2
吉備路へ・・・・ 岡山県倉敷市・総社市 その3 倉敷市黒宮大塚から総社市秦の一丁ぐろ古墳へ |
撮影日2012/3/28〜31 |
二日目、 広島県福山市の見学を終え、岡山県倉敷市へ
黒宮大塚古墳 倉敷市史跡 |
倉敷市真備町尾崎 撮影日2012/3/29 |
10時過ぎに 到着
黒宮大塚古墳は 小田川沿いの広い谷平野に突き出た標高43mの尾根上にある全長60mの前方後方墳
後方部幅28m 前方部幅20m 後方部がやや長く、前方部と後方部の間はわずかにくびれた感じの平面形である。
(近年の調査で、28m×30mの長方形墳の可能性が高くなった。)
墳頂部のやや北西よりにある竪穴式石室は、
床面に敷かれた円礫上には朱が薄く認められ、中軸部が窪んでいることから、
割竹形木棺が置かれ、石室には蓋石はなく、本来は木蓋が用いられていたと推定されている。
石室の上方からは墓へ供えられたと思われる
高杯・台付小壺・小器台・特殊器台・長頸壷・特殊壷などの土器類が80個体以上出土した。
出土した土器類から、弥生時代後半の築造(3世紀後半の築造)と推定されている。
昭和53年発掘調査
墳頂部に大塚八幡社の拝殿と熊野神社本殿が南北に並んで建っていて、
社殿建築の際、墳丘が改変されたと考えられている。
(説明板・倉敷市hp から)
黒宮大塚 登り口 熊野神社と八幡神社の社殿が並んで建つ トイレ完備が有難い。 |
黒宮大塚 後方部 墳上の社殿後ろに、 竪穴式石室が覆い屋の中で保存されている。 |
黒宮大塚 竪穴式石室 天気が良すぎてよく見えない! |
黒宮大塚 後方部から前方部を見る 前方部に見えるが・・・・ 長方形墳だとどうなるのかな? |
説明板の「黒宮大塚古墳」の「古墳」部分が消されている。
出土物からすると、弥生時代の築造と考えられるので「墳丘墓」となるからかな?
倉敷考古館には、この黒宮大塚で出土した特殊器台や勾玉が展示されているという。
箭田大塚古墳 国史跡 |
倉敷市真備町箭田 撮影日2012/3/29 |
10時36分 箭田大塚古墳 着
箭田大塚古墳
西側に造出
箭田大塚古墳概略図 (説明板から)
黄色は石棺があった所
円丘部径54m・高さ9mの造出付円墳
両袖式横穴式石室は全長19.1m
玄室長8.4m・幅3.0m・高さ3.8m 羨道長10.7m・幅2.3m・高さ2.4m
玄室には3基の石棺があるがそのうち2基は追葬されたもの。
明治34年の調査で、須恵器・土師器・刀剣・馬具・金環・勾玉などが出土。
昭和58年に張り出しを持つ円墳と確認された。
6世紀後半〜7世紀の築造と推定されている。
県下三大巨石墳の一つ。(一つ目の説明板から)
箭田大塚古墳 西側の造出部分 |
箭田大塚古墳 円丘部分 |
箭田大塚古墳 石室入口 中には入れない |
箭田大塚古墳 羨道部の天井石 でかい! |
箭田大塚古墳 玄室 手前に壊れた石棺が見える 玄室に3基の箱式石棺があったそうだ。 |
箭田大塚古墳 玄室部の天井石 |
箭田大塚古墳 羨道から外を見る |
箭田大塚古墳 周溝跡 |
説明板は3枚ある。
二枚目の説明板の中の「備中国箭田大塚記録」という図には、埴輪が墳丘に4重に並べられている。
いつ頃描かれたものなのだろうか?
三枚目の「周溝説明板」には、墳丘実測図があるが、薄くなっていてよく見えない。残念!
周辺が公園となっている。駐車場あり。
真備町「まきびの里・竹の町」の立派な観光案内板があるが、
次に見学に行く竜王塚古墳が石室開口のように描かれていて、ちょっと不満・・・。
竜王塚古墳 | 倉敷市真備町有井上有井 撮影日2012/3/29 |
11時16分 着
竜王塚古墳は 東西17m・南北17mの方墳といわれていた。 2001年からの測量調査では、 径35m・高さ4mの円墳の可能性が高い といわれている。 所有者は上有井部落 墳丘上にある竜王宮は、古い棟札には明和4年(1768)の再建とあるから、 これ以前の祭祀と思われる。 昭和37年の竜王宮改築に際して、その社殿下にあった竪穴式石室を発掘し埋め戻した。 出土品は直刀1・鉄斧・鉄器類及び馬具の轡の断片がある。 5世紀後半の築造と推定されている。 (説明板・倉敷市hpから) |
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竜王塚古墳 横から |
竜王塚古墳 墳丘上 |
竪穴石室は、埋め戻されてみることはできない。
近年、発見されたという一丁ぐろ古墳群に行こうと、「サントピア岡山総社(旧年金休暇センター)」にむかう。
昼食は「サントピア岡山総社」内のレストラン白煉瓦。
一人前千円だけど、
サラダバイキングとデザート3点盛もつく豪華なお食事。
今回の旅では、一番豪華な食事かも・・・・・。
春休みの合宿中らしき高校吹奏楽部の団体も昼食をしていて、にぎわっている。
金子古墳群 カナゴコフングン |
総社市秦・金子 撮影日2012/3/29 |
午後一番の見学はサントピア岡山総社の敷地内に整備されている金子古墳群。
1・2・6号墳が保存されている。
金子古墳群配置図
1・2・6号墳は方墳だが、
角がどこかは分からないのでイメージです。
10号墳(秦大ぐろ古墳)は
墳長56mの前方後円墳
14号墳(秦上沼古墳)は
すでに消滅しているが、
「三角縁神獣鏡出土地」という石碑が立つ。
(三角縁獣文帯四神四獣鏡が1931年に見つかった。)
金子6号墳 方墳。説明板は無い。 |
6号墳 方墳だそうだが、円墳にしか見えない。 |
金子2号墳 2号墳は 一辺17mの方墳。 標高95mの尾根上に立地。 2段築成 東側を除く3方向に周溝がある。 斜面に葺石があるが、埴輪はない。 盗掘穴がある。 5世紀の築造と推定されている。 (説明板から) |
2号墳 中央の松は「夫婦松」と呼ばれている。 |
金子1号墳 グランドゴルフ場の中の1号墳 |
1号墳は 一辺9mの方墳 標高94mの尾根上にある。 周溝がある。 墳丘の中央に箱式石棺がある。 板状の石をならべたて棺としたもので 内法長さ2m・幅32〜40cm・深さ35cm 床は小石を敷かず土床としている。 紡錘車2・鉄鏃1・須恵器のはそうが出土。 5世紀の中ごろの築造と推定されている。 昭和51年発掘調査63年に保存整備 (説明板から) |
墳丘に残る箱式石棺(手前) 奥の石は蓋か? |
箱式石棺の右側にカメラを突っ込んでみたら、 奥壁が撮れた! |
一丁ぐろ古墳群 | 総社市秦、福谷 撮影日2012/3/28 |
近年新発見となった一丁ぐろ古墳群。サントピア岡山総社北側の山頂から尾根筋にかけて分布する。
山頂にある1号墳は全長76mの前方後方墳で、足守川以西の総社平野で最初に築かれた大型古墳だそうだ。
一丁ぐろ1号墳遠景
2.5kmほど南の
総社大橋の西側あたりから見上げる。
調査のため、木を切ったので
頂上にある墳丘がよく見える。
サントピア岡山総社の駐車場(標高約90m)に駐車、車両乗り入れ禁止の道から一丁ぐろ1号墳(標高189.3m)まで登る。
一丁ぐろ古墳群配置図
木山神社(標高約130m)の後ろに9〜13号墳
山頂に、1号墳、1号墳の北東に2〜8号墳がある。
現在13基確認されているが、
前方後方墳または前方後円墳5基を含む
50基以上の古墳群と考えられている。
1号墳は前方後方墳と確認されたが、
2〜13号墳は、これから墳形や大きさが明らかになっていくようだ。
とりあえず方墳として、記しておきます。
古墳群の入口にある木山神社
社殿前にあるお供え物を置く台石が、
古墳の石室の石材に見えるのは
私だけでしょうか?
一丁ぐろ12号墳 径15m・高さ2mほどの墳墓 12号墳 木山神社の背後(北西)にある。 尾根が北西に上がっていくので、 北西の方向に古墳が並ぶ。 |
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一丁ぐろ13号墳 12号墳と同じくらいの大きさ 13号墳 尾根方向ではなく、12号墳の南西方向にある。 |
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一丁ぐろ11号墳 12号墳と同じくらいの大きさ 11号墳 12号墳の北西(尾根方向)にある。 12号墳と、この11号墳の間に、 墳丘があるような・・・・・・ (11号墳は前方後方墳かも?) |
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一丁ぐろ10号墳 前方後方墳 後方部一辺25m・高さ4m 前方部20mほど
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山道途中の分かれ道。
左側の道は麻佐岐神社方面(正木山)
右側の道は展望台(城山)入口と案内されている。
一丁ぐろ1号墳は展望台へ行く道方向にある。
この辺りに9号墳があるらしいが、はっきり分からない。
まだ60mほど上がらないと1号墳にはつかない。
頂上に着く。
一丁ぐろ1号墳 全長76mほどの前方後方墳 後方部一辺35m 前方部長さ45m・前方部幅17m 2段築成 定型化前の埴輪あり 葺石あり(南側と東側には、しっかり葺かれている。 墳丘の周りに周庭帯のような段を掘り込み、列石を2重にめぐらしている。 主体部は竪穴式石室で、蓋石は動かされているが、残っていると考えられている。 4世紀初頭の築造と推定されている。 1号墳の周りには、墳丘を持たない埋葬施設がいくつか存在する。 1号墳全景 左(南西)前方部 右 後方部
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一丁ぐろ2号墳 一辺15m・高さ2.5mほどの方墳
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一丁ぐろ3号墳 一辺10m・高さ1.5mほどの方墳? 2号墳の前方部という説もある。 3号墳 2号墳の北東(尾根沿い)にある。 奥に見える石材は4号墳 |
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一丁ぐろ4号墳 一辺10m・高さ2mほどの方墳? 埴輪あり 須惠質の壷が出土 横穴式石室がある。 1号墳よりかなり後(200年後)に築造されている?
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一丁ぐろ5号墳 一辺8m・高さ1.5mほどの方墳? 5号墳 4号墳の東、やや下った所にある。 少し離れている。 |
4・5号墳の東に張り出した尾根上に6・7・8号墳がある。
一丁ぐろ6号墳 | 径10m・高さ1.5m程の円墳? |
一丁ぐろ7号墳 | 径10m・1m程の円墳? 6号墳から少し離れた東にある。 |
一丁ぐろ8号墳 | 径15m・高さ1.5m程の円墳? 7号墳のすぐ東にある。 |
1号墳から下りる途中、次に見学する秦茶臼山古墳のある山がきれいに見える。
秦茶臼山古墳はこの山の最高所にあるという。
手前は、金子大池。
秦茶臼山古墳 | 総社市秦 撮影日2012/3/29 |
午後2時50分 着
金子大池の南の小高い山の頂上にある。
秦茶臼山古墳は 墳長約38mの前方後円墳、後円径12.6m・前方幅16.6m 。
墓地となり、すっかり削られ平坦になっているが、その平坦面が前方後円形になっている。
秦茶臼山古墳 前方部から後円部を見る。 |
秦茶臼山古墳 後円部から前方部を見る。 |
秦茶臼山古墳前方部先端? 墳丘の上にコンクリートで台を作って、 墓地としているのかな? |
金子石塔塚古墳 (奥場古墳群2号墳) |
総社市秦 撮影日2012/3/29 |
長砂古墳(横口式石槨墳)を見たかったがあきらめて、
岡山コンクリートという工場の北の山裾にあるという金子石塔塚をめざす。
分からないので、通りがかりの男性に登り口を教えていただいて、ようやくたどり着くことができた。
金子石塔塚古墳は 径26mの円墳
南側に開口する右片袖式の横穴式石室は、全長8.5m、
玄室に刳抜式家形石棺がある。
この石棺は県内に5基ある地元浪形石製(貝殻石灰岩)の石棺で、
蓋石の背が高く、4個ある縄掛け突起も突き出た古いタイプのもの。
金子石塔塚古墳 石室入口 |
金子石塔塚古墳 玄室内部 床には水がたまっている。 |
金子石塔塚 立派な家形石棺 |
金子石塔塚 玄室から入口を見る |
金子石塔塚の手前にある墳丘 | |
金子石塔塚の手前にある墳丘は、 1号墳か? |
その墳丘は、埋葬施設があったと思われる所が、 ざっくりと削られている。 |
どちらにも説明板がない。
吉備風土記の丘へ向かう。・・・・・吉備路 その4へつづく