中能登町    地図g   

杉谷チャノバタケ遺跡

中能登町(旧鹿西町)杉谷
(撮影日 2006/3/11
2020/5/28・6/9

雨の宮古墳群の南西に約2kmの
金丸杉谷の丘陵を水道施設建設に先立ち発掘調査をしたら、「日本最古のおにぎり」が出土した。

 杉谷チャノバタケ遺跡
 鹿島郡中能登町(旧鹿西町)に所在。
 眉丈山系から平野部に延びる丘陵から一部谷部にかけて(標高60〜110m)立地。
 南北50〜100m、東西350m以上の広がりを持つ。
 集落跡から、土器・土製品・石製品・木製品・鉄器などが出土し、
  周囲には集落を守るように「環濠」がめぐらされていた。
 高地性集落の遺跡と考えられている。
 中でもチマキ状炭化米塊は「日本最古のおにぎり」として話題となった。
 昭和62(1987)年、竪穴式建物の壁際より出土した。
 
 米粒の解析により、短粒、極小粒の日本型を呈する水稲品種の晩稲の糯米(モチゴメ)で、
  蒸されたのち焼かれたものと推定されている。
 チマキ状の炭化米は、底辺約5cm、他の2辺が約8cmの二等辺三角形で、約3.5cmの厚みがある。
 日本型のおくてのもち米を使用し、蒸された後二次的に焼かれたものと推定され、
  現在のちまきに近いものと考えられる。
 チマキ状炭化米は、昭和62年11月、
  丘陵中腹に位置する第22号竪穴式建物の壁際から、単独かつ完全な形で出土した。
 同建物は弥生時代の中期の終わり頃(1世紀前半頃)のもので、
  炭化米塊も同時期のものと推定される。
 こうした調理・整形された米は、全国的にみても非常に少なく、なかでも本例は最古級のものだ。
 機能的には携行・保存食だが、
  建物の壁際からの単独の出土であることやチマキの民俗事例などから、
  食用というよりは魔除けなどのまじない的な用途で作られたものと推定されている。
 食用とは別に霊的なものへの供物あるいは厄除けという呪敵な用途をもっていた可能性がある。
              (2006年現地説明板と2020ふるさと創修館説明板から)



杉谷チャノバタケ遺跡全景
  (撮影日 2006/3/11)
右側に水道施設がある。

現状はただの山!!
ふるさと創修館のロビーにオニギリが展示されている。   (撮影日2020/5/28)


日本最古のチマキ状炭化米
ふるさと創修館ロビーにて

レプリカ
(本物は石川県埋蔵文化財センターに所蔵)
弥生時代中期(約2000年前)のもの

底辺約5cm、他の2辺が約8.5cm、8cm、
厚さは3.5cm


発掘調査時の航空写真
  ふるさと創修館ロビーにて

右側が北と思われる。


ふるさと創修館には
中能登町の「教育文化課文化財保護係」という部署がある。

チャノバタケ遺跡と重なるような位置に杉谷A古墳群がある。

杉谷A古墳群・ガメ塚

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