北村さんちの遺跡めぐり

羽咋市   地図g    

滝古墳群

羽咋市一ノ宮町・滝町
撮影日2002/10/13
2011/8/21
2020/9/6

羽咋市内から富来の方へ北へ行くと気多大社がある。その次の集落・滝町の海岸沿いにある。

 滝古墳群は、日本海に面する海岸段丘ぎわにつくられた古墳群
 5世紀中ごろの滝大塚古墳にはじまり、6世紀末ごろまで古墳が作られ続けたと考えられている。

滝古墳群配置図
   

滝大塚古墳 全長90mの
帆立貝式古墳
滝1号墳 直径20mの円墳
滝2号墳 直径25mの円墳
滝3号墳(消滅) 直径18mの円墳
滝6号墳 直径20mの円墳

   (1号墳そばの説明板から)


 滝大塚古墳
 全長90m(推定)の帆立貝式古墳  日本海側屈指の規模を誇る 
 二つの造出しがある
 20mの周溝を持つ
 円筒埴輪・朝顔形や須恵器片と勾玉が出土している。
  5世紀前半の築造と推定されている。 

滝大塚古墳群推定範囲
  (企画展展示から 2020/9/6)

地上部が消失しているが、
 昭和27年の空中写真などで、
 ある程度復元できている。

 周囲に盾形の周溝があり、墳丘には葺石を一面に敷き詰めて円筒埴輪を並べ、
  海側からよく見える古墳だった。
 昭和20年代後半以降に国道設備等により埋葬施設を含む大部分が削られてしまった。

滝大塚古墳 空中写真
北と東に造出しがある。

(展示から)

滝大塚古墳出土の
円筒埴輪・朝顔形埴輪片
 
(展示から)

滝大塚古墳の葺石
   (撮影日2002/10/13)

葺石を撮った写真だけどよくわからないかも。

滝大塚古墳  北側から
古墳らしく見えるが、
実はほんの一部しか残っていない。
(撮影日 2011/8/21)

滝大塚古墳  北側の墳裾
丸い!
手前に、造出し部分(消滅だが)
(撮影日 2011/8/21)

    

 滝白山神社古墳
 神社が上にあるから残っているかもしれないと思い、行ってみたが、
  墳丘を壊して、神社を建てたということで古墳とわかる状態ではなかった。


古墳を削平して建つ滝白山神社
(撮影日2006/8/26)

古墳の面影はないが、石が置かれている。

 

 滝3号墳  消滅している 企画展展示から (撮影日2020/9/7)
 6世紀初頭につくられた直径18mの円墳
 横穴式石室がある
 石室内部から、
  器台に載せられたハソウなどの「祭器」とみられる特殊な須恵器、
  直刀・鉄鏃などの「武具」、轡・辻金具・鈴杏葉などの「馬具」、装身具などが出土した。
 なかでも馬具の鈴杏葉は、能登では唯一の出土。

消滅前の滝3号墳 (展示から)

横穴式石室 (展示から)

出土した須恵器広口壺 ハソウ 器台
器台にハソウが乗る状態で出土した
(展示から)


上段・直刀              
下段 左から             
馬具「辻金具」 馬具「絞具」 鉄鏃

(展示から)

左・馬具「轡
 鉄製の馬の装身具
 手綱を引くための鏡板と軸部

右・馬具「鈴杏葉」
 馬の胸や尻部に取り付けた飾金具
鈴の付いたものは貴重

(展示から)

 滝1号墳・2号墳・6号墳は残っている。  

 滝1号墳  直径20mの円墳
2020/9/19の1号墳
2021/1/26の1号墳

南西から見る

南から見る

 

 滝2号墳   直径25mの円墳
 2020/9/19の2号墳

西から見た 左・6号墳 右・2号墳
 2021/1/26の2号墳

墳丘

墳丘上

    

 滝6号墳    直径20mの円墳
 2020/9/19の6号墳

6号墳の北側の道路沿いに説明板

説明板

西から見た 左・6号墳 右・2号墳

6号墳墳丘
2021/1/26の6号墳

北から見る

2号墳(南側)から見た6号墳

        

 滝古墳群オージョージ支群
 滝古墳群では、滝大塚古墳を中心に、周囲にたくさんの古墳がつくられたが、
  少し離れた「滝灯台」周辺の海岸段丘ぎわにも、小型の円墳7基がみつかっている。
 「オーショージ」とは「大清水」という意味の滝町の地名。
 滝崎の最先端で眼前に日本海を望む厳しい立地だが、
  飲料に適した真水も湧く、特別の場所だった。
 発掘調査はされていないが、周囲の畑などから、
 古墳に副葬されたとみられる須恵器や勾玉などが採集されている。
 6世紀後半から末ころの築造と推定されている。

滝オーショージ6号墳
葺石を有する小型の円墳
(展示から)

滝古墳群オージョージ支群採集資料
勾玉、土器類

(展示から)

滝古墳群オーショージ支群の北方にも、古墳がある。


現在の 滝白尾塚古墳のあたり
滝オーショージ古墳群の北にあったというが
現在は水田!
撮影日2020/9/19

現在の滝テングミズ古墳のあたり 
手前はため池 向こう側が海
全長30mの前方後円墳
横穴式石室があるという
撮影日2020/9/19

現地は笹がびっしり生えていて、なかなか見学できない。

滝古墳群配置図

滝古墳群のまとめ    (2020/10/10に更新)

滝1号墳 径20mの円墳 円筒埴輪・須恵器  
滝2号墳 径25mの円墳 円筒埴輪・須恵器 横穴式石室
滝3号墳
(1980年発掘調査)
消滅
径18mの円墳
3mの周溝

横穴式片袖型石室
須恵器・直刀(1.2mのもの1)2・鉄鏃25・馬具・鈴付杏葉3・管玉など
6世紀前半中葉
出土遺物は羽咋市指定文化財
滝4号墳 径15mの円墳
損壊
天井石・須恵器  
滝5号墳 径50mの円墳
損壊
円筒埴輪・石材  5世紀前半後葉
滝6号墳 径20.5mの円墳 円筒埴輪・須恵器  
滝7号墳 円墳  消滅    
滝8号墳 径15mの円墳    
滝9号墳 自然地形か?    
滝大塚古墳 全長90mの
 帆立貝式古墳
円筒埴輪・朝顔形埴輪、
須恵器、勾玉 葺石
5世紀前半
竪穴式石室か?
滝ゴンニョモ山古墳 消滅(1957年) 葺石  
滝テングミズ古墳 全長30mの
前方後円墳
横穴式石室
滝白山神社古墳 径20mの円墳
損壊
須恵器・土師器 葺石
滝ザンサ山古墳 径20mの円墳
損壊
石材
滝白尾塚古墳 損壊
滝オーショージ支群 6世紀後半〜7世紀前半の小規模な古墳が群集
 滝オーショージ1号墳 円墳
損壊
須恵器 横穴式石室か
 滝オーショージ2号墳 円墳か
損壊
須恵器・土師器・朱塊 横穴式石室か
 滝オーショージ3号墳 損壊 須恵器・土師器 横穴式石室か
 滝オーショージ4号墳  灯台建設時損壊 須恵器・土師器 横穴式石室か
 滝オーショージ5号墳 損壊 須恵器・直刀・朱塊 横穴式石室か
 滝オーショージ6号墳 2006年度県教委が
保安林改良事業に係り分布調査
 滝オーショージ7号墳

羽咋の古墳の話
羽咋では、現在約100基の古墳が発見されているが、
 その内の約3分の2が柳田町から柴垣町の眉丈山丘陵上に集中している。
古墳を大きく群ごとに分けてみると、
 滝・一の宮古墳群、柴垣古墳群、柳田古墳群、羽咋古墳群、福水円山古墳群、鹿島路宿屋古墳群に大別できる。
羽咋で古墳造りが始まるのは、
 鹿島町(現・中能登町)の小田中親王塚・亀塚古墳や、
 鹿西町(現・中能登町)の雨の宮1号墳・2号墳よりも遅い、5世紀前半のことである。
             (羽咋市教育委員会編「羽咋のれきし」から)

寺家モスケ古墳

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