北村さんちの遺跡めぐり
更新日2021/12/12

国立工芸館

金沢市出羽町3-2
2021/10/28

2021年10月28日、石川県立美術館で開催されていた日本伝統工芸展金沢展を見学して、
隣に建てられた国立工芸館の全体を初めて見た。
開館して1年が経っている。

2020(令和2)年10月25日、
金沢市に国立工芸館が開館した。

コロナ禍のため、予定より遅れた開館となる。





明治時代に建てられた旧陸軍第九師団司令部庁舎と旧陸軍金沢偕行社を、
 石川県と金沢市が移築・整備してつくられた建物だ。

2つの建物の間には新たにガラス張りのエントランスが設けられて、ここが入口となる。


国立工芸館を県立美術館側から見る

左・赤レンガミュージアム
右・国立工芸館




2017年に、移築前の旧陸軍第九師団司令部庁舎・旧陸軍金沢偕行社を見学したが、
 当時は、県立能楽堂の東側に、この二つの建物が並んでいた。

工芸館になってから、県立美術館と赤レンガミュージアムの間に移築された。

周辺の地図g

 旧陸軍第九師団司令部庁舎 県登録有形文化財 

移築前 (撮影日2017/11/22)

国立工芸館となって、幅が広くなった
 この建物は、明治31(1898)年に金沢城二の丸跡地に旧陸軍第九師団司令部として建てられた
 木造2階建、瓦葺で、
  正面玄関のピラスター(付け柱)やペディメント(三角形の切り妻壁)、
  上げ下げ窓の下に付けられた手すり状の意匠など、
  初期洋風建築のもつ簡素なルネサンス風の外観を特徴とする。
 明治期の庁舎建築の好例で、造形の規範となった建物として貴重である。

 昭和24年からは金沢大学本部が使用。
 昭和43年に石川県が取得し、現在地に移築された際、
   両翼がほぼ半分に切り縮められて、
   外壁が漆喰塗りからモルタル塗りに変更された
が、ほかはほぼ原形を保つ。
 平成16年3月まで、「石川県庁舎石引分室」や「県民ふれあい公社」として利用されていた。
 平成19年(2007)から、石川県立歴史博物館の分室となる。
 令和2年(2020)から、国立工芸館の建物となる
 陸軍第九師団は、日本帝国陸軍の師団で、
  日清戦争の後、軍備増強の必要性から1898年(明治31年)に新設された6個師団の一つ。


 旧陸軍金沢偕行社
 キュウリクグンカナザワカイコウイャ
県登録有形文化財 

移築前 (撮影日2017/11/22)

国立工芸館の一部となる
 この建物は、明治31年(1898)大手町に陸軍金沢偕行社として建築された。
 木造瓦葺き2階建ての建物で、
   マンサード屋根やドーマー・ウインドウ、コリント式のピラスターなど、
   ややバロック風のデザインで高度の洋風様式技巧を示している。

 明治42年(1909)現敷地内に移築。
 戦後は北陸財務局と金沢国税局が使用した。
 昭和42年に県が取得し、昭和45年から55年には郷土資料館収蔵庫として使用。
 平成15年3月まで公園緑地課、県道路公社が利用。
 平成19年(2007)より石川県立歴史博物館の分室となる。
 令和2年(2020)から、国立工芸館の建物となる
 「偕行社」とは、
   旧日本帝国陸軍の将校・陸軍将校生徒・陸軍高等文官の親睦組織及びその施設。
 現在も、形は少し変わったらしいが、同じ名前で自衛隊の親睦団体がある。

国立工芸館の中の見学はまだできていない。
入館はコロナ禍のため、予約制となっている。 

移転前の二つの建物・紹介のページ 

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