北村さんちの遺跡めぐり
更新日2014/11/9
野瀬石山古墳・鉢伏西山古墳 |
2014/5/15 |
石川考古学研究会会誌に記載された古墳を見つけに行く。
野瀬石山古墳 |
津幡町野瀬 |
石川考古学研究会会誌に記載された古墳の探索その1。
野瀬川に臨む丘陵の、麓に築かれた古墳。
野瀬石山古墳の位置
東に谷地石山古墳群があるが、
資料がないので詳細不明。
(現在は土取りで消滅か?)
野瀬石山古墳は、民家の横に雑草地として残っている。
野瀬石山古墳は 野瀬川の河岸段丘裾部にのっていると考えられている。 径10m程度の円墳が想定されている。 昭和初期に畑の開墾作業中に発見されたが、埋葬施設の形態は不明。 「津幡町史」では、勾玉・ガラス小玉・直刀・鉄鎌(約20本)が出土したと伝えられていると記載されている。 「宇ノ気町(現かほく市)教育委員会」が現在その一部を保管しているそうで、 石川考古学研究会会誌の発行に際し、もう一度確認して、出土品の詳細が会誌に掲載されている。 |
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南から見た墳丘 |
西から見た墳丘 |
鉢伏西山古墳 |
かほく市(宇ノ気町)鉢伏 |
石川考古学研究会会誌に記載された古墳の探索その2。
以前見学した鉢伏茶臼山古墳群の4号墳が、この鉢伏西山古墳。 2011年2月の見学記
鉢伏茶臼山古墳配置図
かほく市の鉢伏集落背後の茶臼山に営まれた古墳群
径(辺) | 高さ | |||
1号墳 | 円墳 | 15m以上 | ? | 給水塔により破壊 土器出土 |
2号墳 | 方墳 | 15.5×13m | 2.5m | 墳頂部平坦面9.5×7m |
3号墳 | 円墳 | 10m | 1.5m | |
4号墳 鉢伏西山古墳 |
円墳 | 32m | 5m | 平坦面広い |
1980年に給水塔増築のための調査で、
竪穴住居14基が検出され、高地性集落が営まれていたと確認され、
中世には山城に利用されていたことが判ってきた。
1〜3号墳は、水道施設になっていて見学できないが、西山古墳は見学できるのではないかと行ってみる。
東側の道路から、小道を上がったところに、墳丘があった。
鉢伏西山古墳 鉢伏集落の西側の丘陵上に位置する。 径32mの大型円墳。墳頂部平坦面も径13mと広い。 テラスが周囲にめぐり、墓地造成で崩れた部分では、断面に盛土が観察される。 |
立派な墳丘を 確認できた! |
墳丘上部 |
竹が生えてきているので、墳丘が崩れそうだ。
能美古墳群「里帰り展」報告 |
2014/8/31 |
能美古墳群(能美市)の国史跡指定を記念して、
同古墳群で初めて発掘調査がされた和田山1、2号墳の出土品20点が京都国立博物館から63年ぶりに地元に戻り、
能美市立博物館で「里帰り展」が開催された。(2014/8/30〜9/28)
能美古墳群「里帰り展」 |
能美市倉重町 能美市立博物館 |
能美市立博物館前の看板
京都国立博物館から貸し出されたのは、
1号墳(円墳、5世紀前半初頭)から出土した
首飾り用の管玉や埋葬者の歯など9点と、
2号墳(同、5世紀終わり〜6世紀初頭)で見つかった
馬具や鉄刀など11点。
中には全国で5点ほどしか確認されていない腕輪の「鈴付銅釧」(縦17cm、横15.6cm)や、
京都国立博物館で一時常設展示されていた「六鈴鏡」(直径12.6cm)、「四神四獣鏡」(同12.1cm)も含まれている。
この和田山1、2号墳では1951年夏、小松市などで発掘調査に貢献した故上野与一さんの指導を受け、
小松高校地歴クラブの部員が埋葬品を調査。
出土品は、国が53年に一括購入して国有化し、56年以降は京都国立博物館で所蔵されていた。
銅釧と鏡二面は旧寺井町(現・能美市)の町制40周年に当たる96年に町内で特別展示されたが、
今回のように20点が一括して帰ってくるのは初めてである。 (中日新聞から)
和田山1・2号墳から出土した副葬品
(棺内展示から)
小松高校地歴クラブ1952
「石川県能美郡寺井町字和田山古墳調査報告」より
六鈴鏡 | ガラス玉・管玉 | 鉄鏃 | |
刀子 | |||
四神四獣鏡 | 馬具 | 鉄 刀 2 本 |
鉄 剣 |
鈴付銅釧 | 鉄鉾・鉄槍・鉄斧 | ||
馬具(鏡板) | |||
管玉 | 馬具(杏葉) |
撮影は0Kだったが、ガラス越しの写真で、はっきりしたものはない。
六鈴鏡 (直径12.6cm) |
鈴付銅釧 (縦17cm、 横15.6cm) 四神四獣鏡 (径12.1cm) |
管玉 |
馬具(杏葉) |
地元で保管されている出土品の展示もある。
西山9号墳 | |
調査時の西山9号墳(昭和42年) (館内展示から) 古墳時代後期(6世紀)の築造と 推定されている。 |
出土した鈴杏葉と馬鐸 (石川県立博物館蔵) |
出土した管玉・耳環・線刻須恵器 (石川県立博物館蔵) |
和田山5号墳 | ||||||||||||
和田山5号墳の墳丘と埋葬施設 (館内展示から) |
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和田山5号墳の出土品展示 (能美市蔵)
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末寺山7号墳 | ||||||||
末寺山7号墳の出土品展示 (能美市蔵)
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その他の展示は
和田山2号墳出土の須恵器 ・和田山9号墳出土の勾玉・和田山12号墳出土の鉄製品(鉄刀・鉄鏃)
和田山24号墳出土の鉄製品(鉄刀・刀子・鉄斧・鉄鏃・鉄鉾)
末寺山3号墳出土の須恵器
寺井山3号墳出土の管玉・寺井山6号墳出土の鉄剣・鉄鏃
秋常山1号墳出土の土師器
西山3号墳出土の甲冑(片) ・西山8号墳出土の耳環
茶臼山9号墳出土の剣・直刀
灯台笹遺跡採集の尖頭器(旧石器時代)
など
調査当時の写真なども展示されている。
この内容で、なんと入館は無料だ。
この「里帰り展」に合わせて、9月6日には、
「加賀の王墓と変革の5世紀」というセミナーが開催されたが、他の用事と重なり、行けなかった。