北村さんちの遺跡めぐり
更新日 2014/8/3
四国の遺跡めぐり 第11回 香川県その3 多度津町・まんのう町・丸亀市・坂出市 |
2014/4/20〜26 |
4月23日。 4日目、観音寺市、三豊市、善通寺市の見学を終え、多度津町へ。
地図g
盛土山古墳 県史跡 |
多度津町奧白方 2014/4/23 |
平野部の道路沿いにあるので、すぐ分かる。
盛土山古墳は、丸亀平野の西端部に位置、善通寺市内に源を発する弘田川と天霧山に挟まれている。 「千人塚」あるいは「かんす塚」ともいわれる。平野部にある古墳。 長径38m・短径32mの円墳 2段築成 葺石なし 2重の周壕があり、周壕を含めると径75mとなる。 周壕とその周辺から円筒埴輪片及び器材埴輪片が多数出土 5世紀末の築造と推定されている。 記録によると、大正4年1月、開墾中、南北方向に長さ2m幅0.8mの組合せ箱式石棺が検出され、 四神獣鏡(銅鏡)、日本一大きな勾玉(当時;硬玉製長さ6.7cm)と トンボ玉(ガラス丸玉の一種で紺青色などの斑文がある)、 流行の最先端の銅製鈴などが出土した。 (説明板から) |
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盛土山古墳全景 周りは農地となっている。 |
墳丘上は何もない。 |
向井原古墳 | 多度津町奧白方 2014/4/23 |
盛土山古墳の西300mの丘陵斜面にある。手前の道路わきに「向井原古墳」と書かれた標柱がある。
ふもとの地主のお宅に見学のお願いをしてから斜面を登る。
かなり急な坂道。古墳は、なんとビニールハウスの中にある。
向井原古墳は、丘陵斜面の果樹園の中にある。 二つの横穴式石室を持つ双室墳だが、現在は1室しかない。 現存する横穴式石室は、玄室長2.4m・幅2.2m・高さ2.4m 羨道長3.7m・幅1.1mの両袖式 玄門側は段の塚穴式に近い窮隆式天井。 |
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ふもとにある案内標識 |
ビニールハウスの中に石室が見える! |
石室の入口は細長い |
入口から玄室を見る |
壁は小さな石を積み上げている |
石室内部から外を見る |
先ほど通った善通寺市を抜け、・・・・・
琴平町の金刀比羅さんのそばを通る。
登れなくても、眺めるだけでもできないかと思ったが、
離れた所に駐車し、歩かないとだめだということが分かり、早々にあきらめ、丸亀市方向に向かう。
その手前のまんのう町で、古墳見学。
安造田神社前古墳 | まんのう町安造田 2014/4/23 |
安造田神社は、新国道32号線の脇にあって、側道からしか行けない。
どの側道から行けば神社に行けるかわからず、ちょっとウロウロした。
安造田1号墳は安造田神社前古墳ともいう。 安造田神社境内にある。 墳丘はほとんど失われ、横穴式石室の天井石が露出。、 横穴式石室は、全長約7m、 玄室長3.5m・幅2.1m・高さ2.2m 羨道長3.5m・幅1.5mの両袖式 鏡石や天井には花崗岩の巨石。床面には礫を敷いている。 |
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社殿の前に石室が露出 |
石室の入口は狭いが、潜入 |
玄室はドームみたい |
玄室から外を見る |
快天山古墳 国史跡 |
丸亀市(旧綾歌町)栗熊東字若狭 2014/4/23 |
後円部南側に大きな説明板があり、登り口があるが、途中で道が消える・・・。
道なき道を進み、後円部に到着。墳丘上はきれいになっている。
前方部側から登るのか?
快天山古墳は全長98.8mの前方後円墳 後円部東西径63.5m 南北径68.0m 後円部高さ10.55m 前方部3段築成 後円部は3段以上の築成。 斜面には葺石あり、各段のテラスには円筒埴輪が並ぶ 周溝なし 後円部に3基の刳抜式箱式石棺、前方部に4基以上の箱式石棺があった。 古墳時代前期後半(4世紀中葉)の築造と推定されている。 墳丘では、円筒埴輪・壺形埴輪・鳥形土製品が出土している。 埋葬施設からは、鏡などの副葬品や、人骨・歯が出土している。(後述) 昭和25・26年、平成13・14・15年に調査。 快天山古墳墳丘測量図 (説明板から) 墳丘は、かなり改変されている。 1970年代に大規模な農地開発の対象になり、 前方部が削平開墾され、 農道や養鶏場などで前方部の中ほどが切断され、 前方部に接した箱式石棺群が滅失したとされている。 近年は丘陵西裾に住宅地が広がってきている。 後円部頂には古墳名の由来となった円福寺の僧侶快天などの墓石が並び、 後円部南斜面に住吉神社お旅所が設けられていることもあって、 後円部からくびれ部は、極端な改変は行われていない。 |
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前方部から見た快天山古墳 右手前の立看板には 「快天山古墳 前方部前端」 と書かれている。 |
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後円部から前方部を見る |
前方部から後円部を見る |
後円部には 真言宗円福寺の18世紀の僧 「権大僧都法印快天」の 卵塔(墓)がある。 右方向に前方部がある。 後円部の3基の埋葬施設のあった所には、四角い説明板が置かれている 手前・1号石棺 中央奥・2号石棺 卵塔の右・3号石棺 |
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1号石棺の東側には立入禁止区域がある。 (ロープで囲まれている部分) 「計測機器がありますので 中に入らないでください」とのこと。 何を計測しているのでしょう? |
後円部の3基の石棺は調査されて、詳細な説明がある。(以下現地説明板から)
1号石棺 | 2号石棺 | 3号石棺 | |
石材 | 鷲ノ山産角閃安山岩製刳抜式割竹石棺 | 鷲ノ山産角閃安山岩製刳抜式割竹石棺 | 鷲ノ山産角閃安山岩製刳抜式割竹石棺 |
寸法 cm |
蓋長さ250(含突起290) ・最大幅80・高さ43 身長さ255(含突起300) ・最大幅73・高さ45 |
蓋長さ235(含突起266) ・最大幅63・高さ34 身長さ233 ・最大幅65・高さ36 |
蓋長さ239(含突起287) ・最大幅56・高さ40 身長さ238(含突起275) ・最大幅55・高さ38 |
槨 | 竪穴式石槨 | 竪穴式石槨 | 粘土槨 |
特徴 | 北枕で棺身には造り付けの石枕 2号石棺の後に製作された |
木棺に代わるものとして 最初につくられた 北枕で棺身には造り付けの石枕 |
北枕で、棺身には 装飾性の高い造り付けの石枕 他の2棺からは 北方にずれた位置にあり後で埋葬 |
出土 (棺内) |
なし(盗掘されていた) | 歯(30第前半の女性のもの) 鏡1 鉄刀子2 |
人骨(20代半ば〜30代前半の男性 鏡1 鉄剣1 |
出土 (棺外) |
鏡1・管玉4・勾玉1・石釧2・小玉1 鉄剣4・鉄刀(破片)3・鉄鏃20 鉄刀子3・鉄鏃2・鉄斧2 ・鉄ヤリガンナ1・鉄鎌1 |
管玉2 鉄剣3 鉄斧1 |
鏡1 鉄矛1 鉄鎌1 土師器 |
インターネット上で「快天山古墳発掘報告書」(2004年)が公開されている。
現地説明板も充実している。
陣の丸古墳群 県史跡 |
丸亀市(旧綾歌町)富熊 2014/4/23 |
「香川県の歴史散歩(山川出版社)」には、陣の丸古墳への行き方が詳しく書かれている。
大きな説明板のある道路の道端に駐車。山道を少し上ると、墳丘が3基並んだ景色が目に入る。
横山(標高242m)から南西部に展開する横山山塊の内、 通称「陣の丸」と呼ばれる標高144mの独立した丘陵に築かれている。 尾根上は東西100m、南北20mほどの広さがあり、 前方後円墳2基と方墳1基が一直線上に築かれている。 発掘調査が行われていないので詳細は不明だが、 立地や墳丘形態からみると古墳時代前期(4世紀中ごろ〜後半)の築造と推定されている。 1号墳の南斜面から埴輪片がみつかった。 陣の丸古墳群配置図 (説明板から)
2基の前方後円墳が前方部を内側に向けて向き合っているという珍しい配置となっている。 中世南北朝時代には陣城として使用されていたことが、名前の由来になっている。 陣の丸古墳の周辺には古墳時代前期につくられた古墳が多くある。 横山経塚古墳や横峰古墳などの積石塚前方後円墳も見られる。 (説明板から) |
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3号墳から見た1号墳 |
1号墳前方部から後円部を見る |
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1号墳から見た 手前・3号墳 奥・2号墳 |
私が立っている所が 2号墳前方部端 |
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3号墳から2号墳を見る |
2号墳から見た 中央3号墳 奥1号墳 背後のシルエットは「讃岐富士」 |
田尾茶臼山古墳 国史跡 |
宇多津町・坂出市八幡町 2014/4/23 |
宇多津町と坂出市の境にある。標高54mの丘陵上にある。
道端に駐車、山に登るが、案内表示はない、説明板もない。
田尾茶臼山古墳は 全長79mの前方後円墳 高さ8m 坂出地域では最大級の古墳だか゛、発掘されていないので詳細不明。 古墳時代前期の築造と推定されている。 |
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登り道には、ずっーと石仏が並ぶ。 ひとつひとつに花が供えられている。 ポリタンクを持った男性が、 お花の水を換えるために登っていく… |
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石仏の次は、巨石を祀る |
その次は、石塔が並ぶ。 |
前方部から後円部を見る |
後円部から前方部を見る |
後円部頂の様子 小さな石祠がある。 賽銭箱と物置がある。 |
帰り道は、またたくさんの石仏に見送られる・・・
「瀬戸大橋温泉せとうちそう」に午後5時50分に到着。
温泉に入って、午後7時からホテル内のレストランで食事。
フルコースの料理!!
メニューは
「食前酒」「前菜」「シェフ特製スープ」
「お造りの盛り合わせ」「海鮮茶碗蒸し」
「瀬戸内海産鯛のしゃぶしゃぶ」「鹿児島県産黒豚のしゃぶしゃぶ」
「自家製さぬきうどん」「茄子の田楽」「鯛めしセット」「シェフ特製デザート」
特製スープ |
豚しゃぶ 具材 |
特製デザート |
民宿風の温泉旅館だと思っていたけど、しゃれた料理が楽しめて満足!!
明日からまたがんばるぞ!
青ノ山古墳群につづく