北村さんちの遺跡めぐり
更新日 2014/9/30
四国の遺跡めぐり・2014年 第18回 徳島県その2 美馬市A・吉野川市・徳島市 |
2014/4/20〜26 |
4月26日、土曜日。四国の旅最終日。
「段の塚穴」を見学後、段の塚穴の東方にある野村八幡神社古墳へ。
地図g
野村八幡神社古墳 県史跡 |
美馬市旧脇町野村 撮影日2014/4/26 |
段の塚穴から東に約2km。県道沿いにある野村八幡神社の境内にある。説明板あり。
野村八幡神社古墳は、径30m・高さ6mの円墳と考えられている。 |
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野村八幡神社古墳 墳丘は、神社本殿で削られている。 左側に社殿がある。 |
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開口部の前に、 羨道の巨大な天井石が1枚置かれている |
羨道から玄室を見る |
奥壁には石棚がある。 |
奥壁石棚から天井にかけて |
玄室入口上から天井にかけて |
石室内部から外を見る |
北原古墳 | 美馬市旧脇町 撮影日2014/4/26 |
美馬市旧脇町中心部の県道12号線から旧193号線を北上して500m、JAのすぐ東の畑の中にあるので、
すぐ分かるはずが、もたもたしてしまった・・・・。
北原古墳は、現状では径10mの円墳 南向きに開口している横穴式石室は、全長7m 玄室は胴張り、側壁は和泉砂岩の乱石積み、 天井は、小さな奥壁のすぐ上から結晶片岩を持ち送る。 |
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農地の中に残る墳丘 |
開口部 |
羨道から玄室を見る |
奥壁 |
奥壁上部から天井にかけて 階段状に持ち送っている天井は「段の塚穴型」 |
玄室から外を見る |
拝中古墳 (中拝原古墳) 市史跡 |
美馬市旧脇町拝原 撮影日2014/4/26 |
県道12号線と新国道193号線の交差点の北100m、道路すぐ西側の民家裏にある。
北原古墳を見つけるのに手間取ったので、写真だけ撮っておしまい・・・・・
中拝原古墳は、現状で径15mの円墳 横穴式石室は、全長8mで、「段の塚穴型」 北原古墳の横穴式石室より、一回り大きい。 |
中拝原古墳 車窓から 東側の道路から見る 墳丘をカメラで写しただけ。 |
拝東古墳もあるらしい。
忌部山型石室を探して |
美馬市 |
吉野川市の山川町の標高240mのところに忌部山古墳群がある。
6世紀後半の築造と推定されている古墳群だが、
横穴式石室が、「忌部山型石室」といい、玄室の平面形が隅丸・胴張りで石室全体をドーム状に築くことに特徴がある。
この「忌部山型石室」を見学したいが、山登りは時間がない。
麓にある金勝寺古墳は「忌部山型石室」だと知り、金勝寺古墳の見学をしようとしたが、
道が狭く、車では金勝寺には近付けない。
残念だがあきらめる・・・・
金勝寺古墳 (吉野川市旧山川町) 金勝寺の東の墓地にある。 横穴式石室が西に開口している。 玄室は胴張り、隅丸、穹窿式天井で忌部山型石室の特徴を示している。 |
段の塚穴型と忌部山型の違いをこの目で確かめたかった・・・・・
伊予街道を東へ、東へ・・・・
あっ、お城がある! JR阿波川島駅の北に天守閣が見える。
1981年に新築された天守閣で、勤労者福祉施設として利用されているという。
川島城 吉野川市川島町
車窓から
戦国時代は、川島兵衛之進の居城
その後、阿波に入った蜂須賀氏配下の林氏が城番となるが、
1638年一国一城令により、廃城となる。
吉野川流域の古墳はほとんど見学できなかったが・・・・・。
徳島市の阿波史跡公園へ。
阿波史跡公園にある古墳 | 徳島市国府町の阿波史跡公園 撮影日2014/4/26 |
徳島市の気延山(212.3m)には、推定200基の古墳があり、気延山古墳群といわれている。
気延山古墳群の東南麓には阿波史跡公園がある。
公園内には徳島市立考古資料館があり、徳島市内の遺跡の出土品が展示されている。
(「まぁ坊の思いつくまま考古学日記」のまぁ坊さんは、いらっしゃるのでしょうか?)
徳島市立考古資料館 スタンプ 館内は撮影OK! |
資料館内の様子 |
矢野銅鐸 (国重文)複製 (館内展示から) 阿波史跡公園の西にある 矢野遺跡から出土 最新式銅鐸である 突線袈裟襷文銅鐸 (トッセンケサダスキモンドウタク) 名東銅鐸(ミョウドウドウタク・県文化財) なども展示されている。 |
気延山古墳群出土の土器 (棺内展示から) |
阿波史跡公園内の古墳 配置図
宮谷古墳 | 前方後円墳 全長37.5m |
奥谷1号墳 | 前方後方墳 全長50m |
矢野古墳 | 円墳 径13m 横穴式石室 |
奥谷2号墳 | 円墳の積石塚 径11.5m 7mの突出部がある |
八倉比売神社古墳 1号墳 |
円墳 径35m |
八倉比売神社古墳 2号墳 |
方墳 一辺20m |
考古資料館から西の山を上ってすぐにある矢野の古墳へ
説明板があるが、内容が古い。2003年に調査がなされたようだ。
徳島県埋文総合センターオフィシャルサイトも参考にさせていただいた。
矢野の古墳 県史跡 | |
気延山東端の標高24m地点につくられた径12mの円墳 矢野の古墳 石室 (古墳辞典から) 南側に開口する横穴式石室は 全長8mの両袖式 玄室長3.8m・幅2.4m・高さ2.5m 羨道長3.9m・幅1.9m・高さ1.9m 石室は徳島県産の結晶片岩が使用され、羨道の途中に間仕切りを設ける複室構造。 奥壁は2mを超える巨石を使用、天井は持ち送り構造。 床には平らな河原石が敷き詰められている。 須恵器・土師器・鉄製品・金環などが出土 出土した土器から、7世紀の築造と推定されている。 気延山古墳群では最後に築かれた巨石墳。 2003年発掘調査。 |
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墳丘 向こう側に開口している |
そばに石材が置かれている |
以前から開口していたという。 天井石の無いところが羨道部の前室か? |
羨道後室あたりから見る 天井と側壁基底部は巨石 |
両袖式というが、袖部は少ししか無い 奥壁は結晶片岩の巨大な1枚石 |
玄室から開口方向を見る 天井は中央部が一段高くなっている。 |
奥谷1号墳は、矢野の古墳から上って脇道に入ったところにあるが、
脇道の案内表示がなく、通り過ぎてずいぶん上ってしまった。 説明板なし。
奥谷1号墳 | |
奥谷1号墳実測図 (古墳辞典から) 全長50mの前方後方墳 後方部の長さ25m・高さ4m 前方部幅20m 標高42mの地点に尾根を切断し、前方部を尾根上方に向けて立地する。 墳裾外周に幅0.6mのテラスを設け、に円筒埴輪をめぐらす。 後方部にあると考えられる内部主体は未調査だが、竪穴式石槨か? 前方部頂に箱形石棺、くびれ部付近に石蓋土壙墓などの後次埋葬施設が確認されている。 4世紀後半の築造と推定されている。 (パンフ・古墳辞典から) |
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奥谷1号墳全景 北から見る 左奥・後方部 右手前・前方部 |
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前方部から後方部を見る |
後方部から前方部を見る |
くびれ部裾から見た前方部(西南から見る) |
くびれ部裾から見た後方部(西南から見る) |
奥谷1号墳から西へ上ったところ、標高116mに、奥谷2号墳がある。
奥谷2号墳 |
全長18.5mの、突出部をもつ積石塚円墳 径11.5m 突出部長さ7m 主に緑泥片岩(阿波の青石)を用いて築かれている。た 2基の竪穴式石室と箱式石棺1基が確認されている。 出土物は鉄鉾1のみだが、宮谷古墳よりやや遅れて築造された(4世紀前半)と推定されている。 1980(昭和55)年調査され、現在は鉄塔の下に埋もれている。 |
考古資料館そばの駐車場(歴史文化ゾーン駐車場)から出て、
南側の史跡の森ゾーンに行き、宮谷古墳ふもとに駐車。 説明板がある。
宮谷古墳 徳島市指定史跡 | |
気延山南東端の標高45mの地点に、尾根筋を切断し前方部を平野に向けて立地。 宮谷古墳実測図 宮谷古墳は 全長37.5mの前方後円墳 後円部径25m・高さ3m 前方部長さ12.5m 後円部2段築成 1段目の墳丘面には結晶片岩の割石を積み上げて 盛土の流出を防いでいる。 後円部中央に長さ7.5m・幅4.2mの墓坑を掘り、結晶片岩の割石を用いて、 全長6m・幅1.2〜1.3mの東西方向の竪穴式石室を築いている。 床面には粘土を敷き、 その上に推定長さ5.3mの割竹形木棺を安置した跡が残る。 頭を東に向けて埋葬されていたと判明している。 石室内から、重圏文鏡、鉄剣、鉄斧、鉄鏃、管玉、ガラス小玉などが出土。 前方部先端から三角縁神獣鏡が、墳丘周辺部からは多量の壺形土器が出土 4世紀初頭の築造と推定されている。 (3世紀終わりの築造ともいわれているが・・・・) (説明板から) |
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竪穴式石室 (パンフから) |
出土した鏡 (パンフから |
芝生広場の向こうに見える宮谷古墳(西から見る) 見えているのは後円部 その後ろに前方部がある。 |
後円部から前方部を見る |
前方部手前から見た宮谷古墳 |
前方部から見た後円部 |
宮谷古墳から西へ上ったところに、八倉比売神社があり、その社殿の後ろに八倉比売神社古墳群がある。
八倉比売神社古墳群の測量調査概要が、インターネットで公開されている。
200段ほどの階段を上らなければならないと聞き、早々にあきらめる・・・・後悔・・・・
八倉比売神社古墳群 |
気延山山塊から南へ派生した支脈のひとつが東に折れるところの標高116mに位置する。 東西に並んでいるが、東側が1号墳、西側が2号墳。 1号墳は 径35m・現高3mの円墳 2号墳は 一辺20mの方墳 平成4年に測量調査 八倉比売神社は、かつては気延山山頂(標高212.3m)にあったといわれている。 |
お昼を過ぎたので、ファミリーマート板野町犬伏店で、弁当を買い、
板野町埋文センターの前庭ベンチで昼食。
板野町の徳島県埋文センターにつづく