越前市(武生市) 地図g
武生・鯖江の2市と、丹生・南条・今立郡一帯を南越地方といい、古くから開けていた。
穴地蔵古墳 |
武生市大屋町 撮影日2003/10/4 |
武生市にもたくさんの古墳があるが、村国山のふもとに、「穴地蔵」として信仰されていた古墳がある。
大屋町の集落から山のほうへちょっと行ったところにある。
木の根っこに押しつぶされそうな穴地蔵石室
数年後には穴がなくなるのでは!
穴の入口は半分ほど土に埋まっているような感じだ。
穴地蔵の石室入口
6世紀ごろの横穴式石室で奥壁に石棚を持っている。
石棚を持つ古墳は和歌山県・徳島県に多いが、敦賀周辺に数例見られる。
奥壁に、地蔵菩薩立像が線刻されているので、「穴地蔵古墳」と呼ばれている。
石室内部
穴の中は不気味でなんとなく入っていけなかった。
古墳としての詳しい調査はされていないが、1501年(明応10)に、
地蔵菩薩立像が真柄光家によって刻まれたと考えられる。
愛宕山古墳群 |
武生市片屋町・氷坂町 撮影日2003/10/4 |
村国山の北西4km程のところに独立丘陵の東山・愛宕山・里山には、これまでに前方後円墳2基を含む78基の古墳が確認された。
これを総称して愛宕山古墳群という。
村国山の展望台から北西の方向を望む
村国山には全域に約50基の古墳があるという。
展望台まで登ったけれどもどこに古墳があるか判らなかった。
展望台で自動車がエンスト。
ちょうど居合わせた若いお父さんにご迷惑をかけてしまった。
どうもありがとうございました。
愛宕山古墳群分布図
登り口の説明板から
東山支群、愛宕山支群、里山西支群、里山中央支群の4支群で構成
前方後円墳2基(東山20号・里山西9号)を含む78基が確認されている。
最高峰の愛宕山から西向きに延びる丘陵上にある東山支群は横穴式石室を主体とする後期群集墳、
里山の各支群は5世紀から6世紀前半にかけての初期群集墳
里山西支群の1・2号墳は昭和61年発掘調査、
いずれも14m前後の小型の方墳で主体部は木簡直葬と確認された。
愛宕山には他に縄文時代、古墳時代の住居跡や土壙、中世の山城などの遺跡も確認されている。
愛宕山の登り口
ハイキングコースになっているけど、私の足で登れるのだろうか?
今度来た時には、ぜひ登ってみたい!
愛宕山にはこの他にも縄文時代・古墳時代の住居跡や、中世の山城など、各時代にわたる複合施設である。
武生市にはこの他に船山古墳群・茶臼山古墳群などがある。
茶臼山古墳群 (武生市岡本町など) |
尾根上に約60基の円墳がある。開口した石室も見れるらしい。 県史跡 |
船山古墳群 | 前方後円墳1基(全長51.5m、武生市最大の古墳)を含む15基の円墳。 |
2010年3月20日
愛宕山古墳にもう一度来る。
今回は山に登って古墳を確認に行く。
説明板の横から崖みたいな坂ををつづら折りに登ると、
愛宕山山頂行く道と、東山支群に行く道に分かれるので
東山支群に行く道に入る。すぐ古墳が見えてくる。
愛宕山古墳群東山支群
(19号古墳前にある説明板から)
東山支群は24基(前方後円墳1基 ほかは円墳)
埋葬施設は全て横穴式石室と推定されている。
尾根上に列をなして造られている。
支群中最高地点に位置する17号墳は切石積みとみられる石室が観察できる。
一つ一つの古墳の前に「第▲号古墳 墳経△m」と書かれた案内板が立っているが、
「墳経」じゃなくて「墳径」だろう。 非常に残念!
愛宕山古墳群東山支群の墳丘 | |
手前から 24号墳 (径7.9mの円墳 少しくぼむ) 23号墳 (径10.7mの円墳 大穴がある) |
手前から 22号墳 (径8.6mの円墳) 21号墳 20号墳 |
支群中最大の20号墳 全長35.5mの帆立貝形前方後円墳 先端を21号墳の周溝によって削られている。前方部に大きなくぼみがある。 |
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17号墳墳丘 (径15.2mの円墳) |
17号墳 崩れた石室 |
16号墳墳丘 (径13.4mの円墳) |
16号墳 崩れた石室 |
18号墳墳丘 (径10.2mの円墳) |
21号墳 (径15.7mの円墳) 群中2番目の大きさ 大穴がある |
19号墳は (径9.8mの円墳) |
船山古墳群 |
越前市(旧武生市)北山町 撮影日2010/3/20 |
愛宕山の南の船山に古墳がある。
北麓の工場の横に小さな案内板がある。
ふもとに駐車して徒歩で上ったが、この山は頂上まで車で登れる。
船山登り口
「四国八十八ヶ所参道」と刻まれた石碑があり、
山には石仏が置かれている
きれいに整美された山。
船山1号墳 北端にある全長42mの前方後円墳 HP「古墳のお部屋」さんの写真には船山1号墳の説明板があるが、現在、説明板は見当たらない。 |
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船山1号墳 後円部に社殿が立っている。 手前が前方部 |
船山1号墳 前方部脇からくびれ部を見る |
船山1号墳 前方部の高まり |
船山1号墳 後円部から前方部を見る 中央の裸の木の根元辺りまでが前方部 |
南側にも古墳があるという
きれいすぎてよく分からない
石仏が並んでいる。
他に6基の古墳があるという。
黄砂にかすむ船山
愛宕山古墳近くから写す。
船山1号墳の後円部に建つ社殿が見えている。
岡本山古墳群 |
越前市(旧武生市)岡本町 撮影日2010/3/20 |
船山の南、岡本山にも古墳がある。南麓の白山神社横から上る。
岡本山登り口の白山神社
登りきったところにある展望台 岡本山の真ん中あたりか 展望台というが景色はよくない。 |
展望台奥の建物に安置された石仏 |
展望台を過ぎ北に進むと北端に古墳。
円墳かとも思えるが前方後円墳とのことである。
岡本山古墳 前方部から後円部をみる 墳頂には小さな石造りの社がある。 |
後円部から前方部をみる |
西側の大通りから見上げる岡本山古墳
茶臼山古墳群 |
越前市(旧武生市)広瀬町 撮影日2010/3/20 |
茶臼山の東側の集落の白山神社の奥の妙行寺の横の坂道を登ると
登りきったところが観音堂で、日蓮上人銅像などもある。
そこから雑木林を南に行くと南峰(茶臼山・標高135m)につく。
ここには大きな円墳がある。これが1号墳か。
茶臼山1号墳に行く道
1号墳は大きすぎて写真は撮れない
南峰山頂にある。
径50m・高さ8mの円墳
群中最大
葺石あり 2段築成
周りにはいくつか円墳が確認できる。
2号墳は 一辺17m・高さ2mの方墳(未発掘のため詳細は不明)。
来た道を観音堂まで戻り更に北に進む。
ここは遊歩道が整備されている。
北峰(金毘羅山・標高106m)山頂に茶臼山金毘羅神社がある。
茶臼山金毘羅神社
その周辺にも古墳がある。
茶臼山金毘羅神社前に置かれた石仏
茶臼山1・2号墳の説明板はこわれ神社の裏に置かれていた。
(茶臼山1号墳は南峰の古墳のはずなのに北峰に説明板がある?意図不明)
「石室墳」(何号墳か書かれていない)の説明板も倒れていた。
北峰の古墳その1 |
北峰の古墳その2 |
北峰の古墳その3・石室墳 |
石室墳の石室内部 |
北峰の古墳その4 |
北峰の古墳その5 |
北峰から降りる遊歩道を行くと
「茶臼山ふるさと小公園」に着き
ここに「茶臼山古墳群」の小さな説明板がある。
「茶臼山は標高南峰135m・北峰106m・長さ南北850mで、
山全体をほとんど覆うようにして古墳がありその数は百数十基といわれている。
北群山頂付近には数々の円墳が観察でき、横穴式石室が1基残っている。
南群山頂部の円墳は2段築成で葺石を持ち径40m以上あり、古墳群中最大のものと考えられている。
平成10〜11年の南端の発掘調査で横穴式石室を持つ円墳や横穴墓・須恵器窯跡などが確認された。
太刀や馬具・耳環などの金属製品や高杯・平瓶などの須恵器が出土
古墳時代後期以降を中心とした群集墳と思われる。」
などと書かれている。