北村さんちの遺跡めぐり

かほく市(旧宇ノ気町)   地図g

宇気塚越古墳群
うけつかごしこふんぐん

宇ノ気町宇気
(撮影日2002/10/13
2017/4/16)

かほく市宇気の鋳鍛工業団地の「石川可鍛製鉄」の建物の奥(東側)に、
     塚越1号墳とその南の方形周溝墓(5号墳)が史跡公園として残されている。

 塚越古墳群は、宇ノ気川に面する台地の縁辺につくられた古墳群
 前方後方墳1・方墳2・円墳2の計5基
 工業団地造成のために、土砂を崩していたところ見つかった。
 発掘をしようとしたところ、既に2号墳は破壊されていた。
 かろうじて1号墳は遺跡として整備され残った。

塚越古墳群配置図
 (石川考古学研究会会誌第22号より)

1号墳  全長18m・高さ2m前方後方墳  
 詳しくは後述
2号墳  9×8m・高さ2mの方形に、
    内径19mの円形の周溝がある。
  1973年、工事のため破壊、その後に調査。
3号墳  径16m・高さ3mの円墳
  墓地と工場建設で変形
4号墳  径13mの円墳
  南側に周溝を掘り残した陸橋部がある。
  墳丘は開墾によって削平
5号墳  一辺7mの方形周溝墓

考古学研究会会誌22号
 「北加賀古墳分布調査報告」(昭和54年)から

弥生時代の方形周溝墓から古墳に移行する時期の貴重な遺跡とみられている。
そのほか、溝状遺構や小鍛冶炉跡(平安時代前半・9世紀)と考えられる土坑が確認されている。

 

2017年4月の宇気塚越古墳 撮影日 2017/4/16

 

 塚越1号墳
 全長18m(南北18m・東西16m)の前方後方墳
 周溝がある。
 埋葬施設は3基検出されている。
  箱形木棺を埋葬したと考えられていて、
     その墓壙からヤリガンナ2・ノミ頭状鉄鏃1・ガラス製小玉1が出土
 東側周溝の底からは、高杯などとともに装飾壺が破砕された状態で出土し、
     墓前祭が行われた痕跡と考えられている。
 古墳時代初頭(4世紀)の築造と推定されている。


塚越1号墳実測図

考古学研究会会誌22号より引用加筆


 (方形周溝墓と考えられている5号墳は、発掘時から半分しかないようだ。
  1972年に発掘調査されているが、その時の調査では埋葬施設は1基しか確認されていないので、
  その後追加調査されているのかもしれない。)



1号墳全景



季節柄、桜がきれいだ!



1号墳後方部  左に前方部

後方部の埋葬施設がレンガで示されている。

後方部から前方部を見る

前方部から後方部を見る

溝状遺構や方形周溝墓が、1号墳の南側に保存されている。 


溝状遺構の形がレンガで示されている。
1号墳の前方部そばにある。

5号墳の形がレンガで示されている。
1号墳の南側にある。
1号墳に先行する方形周溝墓と考えられている。

 

2002年10月の宇気塚越古墳 撮影日 2002/10/13

能登中島まで行った帰り、日没寸前に撮った写真。


宇気塚越1号墳全景

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