北村さんちの遺跡めぐり
金沢市 金沢市の地図g
野田山三角点古墳 |
金沢市野田 |
石川県埋蔵文化財センターのホール展「口能登・中能登の古代遺跡」を見学に行き、帰り道
野田三角点古墳を初めてまともに見学した。
果樹園になっているので、なかなか見ることができなかったが、時期が良かった。
前田家墓所がある山のてっぺんだ。
野田山三角点古墳は、長坂古墳群の中の1基。 径42mの円墳 高さ2〜3mほど。標高175m。 直径に比して低平な墳丘をもち、尾根側には幅8mの溝、 斜面には幅1.5mのテラス状整形を施すことによって周囲との境としている。 野田山三角点古墳測量図 (石川考古学研究会会誌から) 直径42mという北加賀最大級の平面積をもちながら、 比高差が2mという低平な墳丘で、普通の古墳とは趣を異にしている。 4世紀代の古墳ではないか? (石川考古学研究会会誌から) |
|
野田山三角点古墳 墳丘 なだらかすぎて、 古墳とは思えない! |
|
墳頂には、三角点がある(標高175.1m) 採ってもらえなかったリンゴの間から 三角点の標柱が見えている。 |
果樹園なので立ち入り禁止 |
長坂古墳群 |
金沢市南郊の野田山にある古墳群。 山頂の野田山三角点古墳、山麓の長坂二子塚古墳が代表的なもの。 野田山三角点古墳につらなる尾根上に、山科上野塚(径16m)がある。 野田山山麓にも、点々と古墳があったが、耕地整理、土地区画整理等によって全て削平。 所在が確認されているのは、長坂二子塚古墳、長坂2号墳の2基。 他に善助塚、狐塚、味噌塚などの塚があったと文献等にある。 |
長坂二子塚古墳は 全長50mの前方後円墳 後円部径29m 前方部幅23m・前方部長さ21m 1905年の調査で、 鏃状銅製品2・鉄剣2本以上、やり1・刀子1以上・勾玉2・管玉11などが出土。 1968年に破壊、1969年の周溝の北側半分の調査で、墳形規模が確認された。 周溝から埴輪が出土。(円筒埴輪・朝顔形埴輪・壺形埴輪) 埋葬施設は粘土槨と考えられている。 4世紀末〜5世紀初頭の築造と推定されている。 長坂二子塚古墳・長坂2号墳位置図 (石川考古学研究会会誌から) |
長坂2号墳は 長坂二子塚古墳の西50m。 一辺17.5mの方墳 1977年に発見されて、一部調査。墳丘は削平されていた。 壺形土器が出土。 長坂二子塚古墳とほぼ同時期の4世紀末〜5世紀初頭の築造と推定されている。 |
長坂二子塚古墳が残っていれば、金沢市の代表的な遺跡となっただろう。
跡地は、住宅地に姿を変え、どこにあったのかも分からない。
金沢市は金沢城の整備にばかり力を入れている・・・。