北村さんちの遺跡めぐり

金沢市     金沢市の地図g

野田山三角点古墳
長坂古墳群

金沢市野田
撮影日2017/12/9

石川県埋蔵文化財センターのホール展「口能登・中能登の古代遺跡」を見学に行き、帰り道
  野田三角点古墳を初めてまともに見学した。
果樹園になっているので、なかなか見ることができなかったが、時期が良かった。
前田家墓所がある山のてっぺんだ。

 野田山三角点古墳は、長坂古墳群の中の1基。
  径42mの円墳 高さ2〜3mほど。標高175m。
  直径に比して低平な墳丘をもち、尾根側には幅8mの溝、
斜面には幅1.5mのテラス状整形を施すことによって周囲との境としている。


野田山三角点古墳測量図

(石川考古学研究会会誌から)



 直径42mという北加賀最大級の平面積をもちながら、
     比高差が2mという低平な墳丘で、普通の古墳とは趣を異にしている。
  4世紀代の古墳ではないか?
        (石川考古学研究会会誌から)

野田山三角点古墳 墳丘

なだらかすぎて、
  古墳とは思えない!

墳頂には、三角点がある(標高175.1m)
採ってもらえなかったリンゴの間から
三角点の標柱が見えている。

果樹園なので立ち入り禁止

   

 長坂古墳群
 金沢市南郊の野田山にある古墳群
 山頂の野田山三角点古墳、山麓の長坂二子塚古墳が代表的なもの。
 野田山三角点古墳につらなる尾根上に、山科上野塚(径16m)がある。
 野田山山麓にも、点々と古墳があったが、耕地整理、土地区画整理等によって全て削平。
 所在が確認されているのは、長坂二子塚古墳長坂2号墳の2基。
 他に善助塚、狐塚、味噌塚などの塚があったと文献等にある。
  長坂二子塚古墳は 全長50mの前方後円墳
    後円部径29m 前方部幅23m・前方部長さ21m
  1905年の調査で、
     鏃状銅製品2・鉄剣2本以上、やり1・刀子1以上・勾玉2・管玉11などが出土。
  1968年に破壊、1969年の周溝の北側半分の調査で、墳形規模が確認された。
  周溝から埴輪が出土。(円筒埴輪・朝顔形埴輪・壺形埴輪)
  埋葬施設は粘土槨と考えられている。
  4世紀末〜5世紀初頭の築造と推定されている。

長坂二子塚古墳・長坂2号墳位置図

(石川考古学研究会会誌から)
 長坂2号墳は  長坂二子塚古墳の西50m。
  一辺17.5mの方墳
  1977年に発見されて、一部調査。墳丘は削平されていた。
  壺形土器が出土。
  長坂二子塚古墳とほぼ同時期の4世紀末〜5世紀初頭の築造と推定されている。

長坂二子塚古墳が残っていれば、金沢市の代表的な遺跡となっただろう。
跡地は、住宅地に姿を変え、どこにあったのかも分からない。
金沢市は金沢城の整備にばかり力を入れている・・・。

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