北村さんちの遺跡めぐり
金沢市 地図g
小坂古墳群 |
金沢市小坂町 |
御所八塚山古墳群と谷を挟んだ北の山には、小坂古墳群がある。
円墳10基・方墳4基の計14基が確認されている。
11号墳~14号墳は現在、山側環状道路の神谷内トンネルの上にある。
小坂古墳群は平野部に接する丘陵尾根に位置する。
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西側から、小坂古墳群のある山を眺める。
奥の鉄塔の辺りが、1・2号墳のあたり。
見えないが、もう一本奥の鉄塔は11号墳の上に立つ。
ふもとの墓地の奥から山に登る。
2号墳より前にある古墳状隆起
元は建物でもあったのか?・・・
小坂古墳群A群 | ||||
1号墳 径25.0m・高さ4mの円墳 1969(昭和44)年に発掘調査されている。 小坂1号墳の測量図 (昭和45年発行 石川考古学研究会誌第13号 「金沢市小坂1号墳の調査」から) 埋葬施設は、2基の木棺直葬で、 鉄剣1・鉄鏃6・刀子1・ヤリガンナ1・鉄斧2・鉾状鉄器3などの鉄製品と 碧玉製紡錘車などが出土している。 墳丘上では、口縁端の内面が肥厚した いわゆる布留式土器が採集されている。 5世紀前半でも中葉に近い築造と推定されている。 標高75mの1号墳の墳頂を利用して、鎌倉時代前期(13世紀前半)の経塚もつくられていた。 経典の入った甕は深さ35cm・幅45cm黒色の珠洲焼で、 内部に高さ24.3cm・直径12cmの青銅製の経筒2本があり、 この中に経軸がそれぞれ一本づつ入っていた。(経巻きは全く形をとどめていなかった。)
発掘調査されてから50年近くが経ち、現在は雑木の中に埋もれている。 |
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2号墳 径9.0m・高さ1.5mの円墳 墳頂には三角点(74.6m)がある。 すぐ横に鉄塔が立つ。
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3号墳 径22.5m・高さ2.5mの円墳 |
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4号墳 径18.0m・高さ1.5mの円墳 西側崩壊 |
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5号墳 径15.0m・高さ2mの円墳 西側崩壊 |
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6号墳 径15.5m・高さ1.5mの円墳 |
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7号墳 径18.0m・高さ4mの円墳 |
7号墳の北には古墳がないはずだが、もう一つ古墳のような高まりがある。
7号墳の北側の古墳もどき?
A群からさらに東へ・・・
小坂古墳群B群 | ||||
8号墳 径30.5m・高さ6mの円墳 墳丘上に山道が通る。
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9号墳 径15.0m・高さ2mの円墳
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10号墳 径14.0m・高さ1.5mの円墳 |
B群からさらに東へ・・・。C群は、1号墳の発掘時には、まだ確認されていなかった。
このC群(11~14号墳)は階段状につくられている。
小坂古墳群C群 | ||
11号墳
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12号墳
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13号墳 一辺19.5m・高さ2.5mの方墳 墳頂部平坦面広い |
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14号墳 一辺22.5m・高さ2mの方墳 墳頂部平坦面広い |
小坂古墳群・野間神社裏古墳群・御所八塚山古墳群の位置関係図
小坂古墳群は南西の墓地の奥から山に入る。
発掘調査された1号墳は、径25mの円墳。
野間神社裏古墳群A群は小金保育園の駐車場の奥から山に入る。
B1号墳(径20mの円墳)は、行雲寺の後ろの墓地から山に入る。
御所八塚山古墳群は、加茂神社の駐車場から山道を登る。
4号墳は全長57mの前方後円墳。
小坂古墳群と谷を挟んだ北側には神谷内古墳群がある。
石川考古学研究会会誌第22号(昭和54年)に「北加賀地域古墳群分布調査報告」が掲載されている。