北村さんちの遺跡めぐり

金沢市   地図g                         

東大寺領横江荘遺跡・上荒屋遺跡地区
上荒屋史跡公園

金沢市上荒屋
(撮影日2010/3/12)

「上荒屋遺跡」は、平成28年、「東大寺領横江荘・上荒屋遺跡地区」に名称変更となる。
詳しくは、東大寺領横江荘のページをご覧ください。

2010年の上荒屋遺跡 撮影日2010/3/12

住宅地の中のグラントゴルフ場となっている。
1987年から5年間かけて発掘調査。
弥生・古墳・奈良・平安・鎌倉の各時代に及ぶ生活跡が見つかった。
特に奈良〜平安時代の荘園跡が発掘された。
庄屋と付属する工房や船着場などとともに墨書土器・木簡の豊富な資料が出土。
その一部が再現され保存されている。

東庄(ヒガシノショウ) 庄家復元建物
荘園を経営する施設の中心的掘立柱建物を推定復元したもの。
(2×5間西庇1間付・面積約100u)

建物は東大寺横江庄の庄所の庄家で、発掘調査で柱穴(杉柱)及びその配置が確認されている。
庄家は米等の物質の集積・搬送のため運河付近に配置される(9世紀中葉のもの)。

綾庄 庄家の復元遺構
東大寺領となる以前、8世紀末〜9世紀初頭の綾庄庄家の建物群
綾庄は4棟が柱筋をそろえて2棟ずつ平行に配置されている。
母屋は桁行6間(10.5m)梁行3間(2間+西庇1間 7.4m)の大型建物

詳細は不明だが、地面に穴を掘り柱を立てる掘立柱建物である。


運河跡
荘園経営における物資の船運に伴い開削された溝。
8世紀後半〜13世紀ごろの遺物が多く出土。
深さ約2m・幅8m。
運河機能は9世紀後半までで、船着場状の遺構を伴う。
1000点を越す多様な墨書土器「東庄」約400点)や付札木簡を含む57点の木簡、斎串(ユグシ)・人形等の木製祭祀具等
が出土している。

すぐ近くには横江荘遺跡があるが、この遺跡と共通するものではないのか。

2018年の
東大寺領横江荘遺跡 上荒屋遺跡地区
金沢市埋蔵文化財センター展示から

金沢市埋蔵文化財センター
金沢市上安原南

(撮影日2018/10/21)

 金沢市埋蔵文化財センターでは、企画展「上荒屋遺跡展」が開催されているので、見学に行く。
上荒屋遺跡で出土した遺物は、石川県指定文化財となっている。

 上荒屋遺跡地区の出土品 (抜粋)  石川県指定文化財

土師器 須恵器
右側は瓦塔

左から祭祀具(素文鏡 鈴など
貴人・役人の革帯の装飾品
右側は 皇朝銭「和同開珎」「神功開宝」

木製椀・皿 須恵器壺
灰柚陶器碗 灰柚陶器碗 土師器皿


轡 鞍 (馬具)など

墨書土器
田宮(地名) 成女(人名) 諸刀(人名)

墨書土器
道(人名) 山人(人名) 廚上(施設)
綾庄(荘園) 庄(荘園) 田上(地名) 宅(施設)

墨書土器
南庄(荘園) 北庄(荘園) 東中家(荘園)
東庄(荘園) 西庄(荘園) 東仲(荘園)

墨書土器
門(吉祥句) 廣(吉祥句)
金(吉祥句) 可(吉祥句)

形代
穢れを移し川に流すことで
穢れを祓う祭事に用いられたと
考えられている。

木簡
上荒屋遺跡では、
大小合わせて計57点の木簡が出土している。

全て運河跡から出土しているので、
不要になった木簡を運河に投棄したと考えられている。

瓦塔は、奈良〜平安時代にかけて作られた土製の塔。五層もしくは七層のものが多く、
   1.5〜2mの高さのものが通例で、木造仏塔の代替として安置し、信仰の対象としたとされる。

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