更新日 2018/9/4
2018春・静岡東部・神奈川県西部 その10 平塚市・泰野市・小田原市 |
2018/3/21〜25 |
神奈川県の古墳群については、
「神奈川の古墳散歩(彩流社)」
神奈川県埋蔵文化財センター第4回考古学講座(2014.9.20)の
「かながわの前期古墳〜長柄桜山古墳群を中心に〜」の資料(インターネット上で公開)
も、参考にさせていただいた。
伊勢原市の見学を終えて、平塚市の塚越古墳へ。
塚越古墳 | 平塚市北金目字塚越 撮影日2018/3/25 |
塚越古墳公園には駐車場はない。
車椅子用の駐車場が一台分あるが、駐車するわけにはいかない。
すぐ北にあるヨークタウン北金目で、昼食を買い、塚越古墳公園で食べることとする。
花見に来ている人たちがいて、かなりにぎわっている。
塚越古墳は、全長55mの前方後方墳 粘土槨が確認されている。 朱、管玉、鉄製品などが出土している。 4世紀後半の築造と推定されている。 昭和33、34年に墳丘測量と主体部調査 平成6、8年に周溝範囲確認調査 平成13、19年に追加範囲確認調査で前方後方墳と確認された。 |
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後方部 |
前方部から後方部を見る |
後方部頂 |
後方部から前方部を見る |
桜が満開だ!
北金目神社古墳 | 平塚市北金目 撮影日2018/3/25 |
塚越古墳から西約300mの北金目神社に古墳がある。
北金目神社
北金目神社本殿は平塚市指定重要文化財となっている。
江戸時代前期(17世紀中〜後期)の建立で、
平塚市内の神社建築では最も古い。
社殿の後ろに墳丘。
北金目神社古墳は 推定一辺28mの方墳と考えられている。 社殿造営で南側が半壊している。 周溝がある。 土器片が出土している。 1993年の調査で、4世紀末〜5世紀初頭の築造と推定されている。 |
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墳丘 |
方向を変えて見る |
すぐ西にある東海大学は、卒業式らしく、正装した人たちが多く歩いている。
渋滞もあり、近いはずの二子塚古墳になかなか着かない。
二子塚古墳 県指定史跡 |
泰野市下大槻 撮影日2018/3/25 |
立ち入りはできないが、脇から眺めることができる。
下大槻団地の駐車場奥にあるので、迷惑にならないようにして、しばらくの駐車はできる。
説明板がある。
二子塚古墳 入口
鍵がかかっている。
桜土手古墳公園の古墳展示館で
鍵を借りれば立ち入り可能?
柵の手前から、墳丘を眺める。
二子塚古墳は 全長43m(本来は46m)の前方後円墳 後円部径33m×26m 前方部幅25m 高さは前方部3.5m・後円部6m 丘陵の自然地形を利用してつくられていて、標高76.2mの薬師原台地の先端部に位置している。 未発掘で、詳細不明 西側にだけあった周溝から出土した土師器と古墳の形から 6世紀後半の築造と推定されている。 |
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二子塚古墳 左に前方部 |
二子塚古墳 後円部脇から前方部を見る |
行く前は、駐車場がないこと、そもそも墳丘を見学できるのかがわからなくて、不安だった。
念仏塚古墳 | 泰野市曽屋 撮影日2018/3/25 |
工場地帯の一角に、古墳がある。
説明板はない。
念仏塚古墳は 現状は径15m・高さ2mの円墳 未発掘のため塚の可能性もあるが一応後期古墳とされている。 墳頂には、南無阿弥陀仏の碑があり、周囲には供養碑や石塔が立てられている。 |
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墳丘 |
墳頂 |
桜土手古墳群 公園内の6基が市指定史跡 |
泰野市堀山下 撮影日2018/3/25 |
桜土手古墳公園に6基の古墳が保存されていて、一角には桜土手古墳展示館がある。
桜土手古墳公園
保存された古墳群と展示館
左 30号墳
その奥に展示館
桜土手古墳群は、第一次・第二次にわたる発掘調査の結果、35基が確認されている。 円墳ばかり35基で 径は8.5m〜28m 。 桜土手古墳群配置図 古墳は現在、 古墳公園内に6基、 日産車体内に5基(19・20・21・22・ 23号墳) 島津製作所内に1基(33号墳)、 の合計12基保存されている。 1号墳は、 桜土手古墳群の一番南に、 他の古墳とは少し離れてあったが、 公園内に復元古墳として、復活している。 |
公園内の古墳配置図 26・28・29・30・31・32号墳の 6基が保存されている。 古墳公園内の保存古墳は、 保護のための盛土をし、 ほぼ元の大きさに復原している。 保存古墳の6基は、秦野市指定史跡。 復元古墳は、1号墳の発掘調査結果をもとに再現された古墳。 |
保存古墳の見学。
保存古墳「26号墳」 26号墳は、径14.5m・高さ2.1mの円墳 周りを幅約1.8mの周溝がめぐっている。 |
保存古墳「28号墳」 28号墳は、径15.6m・高さ1.8mの円墳 周りを幅約1.7mの周溝がめぐっている。 |
保存古墳「29号墳」 29号墳は、径15.6m・高さ1.4mの円墳 周りを幅約1.6mの周溝がめぐっている。 周溝調査の時、 葺石の一部と思われるものが発見された。 |
保存古墳「30号墳」 30号墳は、径22.8m・高さ2.5mの円墳 周りを幅約1.7mの周溝がめぐっている。 |
保存古墳「31号墳」 31号墳は、径11.2m・高さ0.8mの円墳 周りを幅約1.1mの周溝がめぐっている。 |
保存古墳「32号墳」 32号墳は、径14.5m・高さ2mの円墳 周りを幅約2mの周溝がめぐっている。 |
桜土手1号墳をモデルにして、古墳が復元されている。
復原古墳 | |
昭和49年(1974年)に発掘調査した1号墳を、図面や写真をもとに復原したもの。 1号墳は 径28m・高さ5.6mの円墳。桜土手古墳群の中で一番大きい。 幅5mの周溝がめぐっている。 2段築成。斜面には、葺石(河原石)あり。 1号墳の墳丘上から大きな須恵器が叩き割られた状態で発見されている。 (埋葬儀式か) 1号墳の横穴式石室は、上にいくに従って少々狭くなり、 その上に天井石を8個乗せている。 その上を小石や粘土でおおい、石室内に雨水が入らないようにしている。 石室からは、壺などの須恵器や勾玉などの玉類、その他の鉄製品などが出土した。 |
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復原古墳 復原に使用した石は、 桜土手古墳に使われていた石 |
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石室背後の墳丘 |
石室入口 |
桜土手1号墳の墳丘内部の展示 1号墳の墳丘の中には、 石室を取り巻くように石垣状の石組みがあった。 この石垣はとても立派に造られているが、 古墳が完成した時には墳丘の中に隠れてしまい、 見ることができない。 同じものが7号墳にもあるが、他の地域の古墳には見られない特異な構造。 石室に積んだ石をしっかり固定するために、石と土の間に砂利などが詰め込まれている。 (「裏込め」といわれる) |
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石室内部 |
石室内部から外を見る |
古墳展示館の見学。
古墳展示館内部の様子 | |
帰宅準備で、 款ブヤエネックス スタシオン大井松田SSにてガソリン給油。
千代大藪古墳 | 小田原市千代 撮影日2018/3/25 |
最後に大きな古墳の見学。
御殿場線の下曽我駅の南に古墳がある。
近年の発掘調査で古墳と確認されたらしい。
千代大藪古墳は、現状で南北約70m、東西約40m、高さ約5mの古墳。 足柄平野の東端、千代台地の南東端に立地し、森戸川の西岸にある。 発掘調査により、古墳の築造に使用される版築による盛土が確認され、古墳と判断された。 主体部や周溝は確認されていないが、築造年代は前期と推定されている。 |
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南から見る |
北から見る |
久野古墳群を見学したかったが、午後4時近くなったので、帰ることにする。
大井松田ICから東名高速道路に入る。
沼津辺りから見た富士山が感動するほどきれいで、やはり富士山は日本一、いや世界一の山だと実感した。
愛鷹PA(みかん買う)、掛川PAでの休憩
渋滞に巻き込まれたり、道を間違えたりしながら、米原JCTから北陸自動車道
午後9時ころ 賤ヶ岳SAで夕食のカレーライス。
帰宅は午後10時47分。 全走行距離は 約1450km
2018年春・静岡県東部・神奈川県西部の旅 おわり